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神様からひと言(荻原浩・光文社文庫)

だいぶ前から本屋で手にとっては、ちょっとためらっていた作品。
「書店員さんが大絶賛!」って帯の文句、
ちょっと引いちゃいますよ・・・しかも、物静かな地味めの装丁。
でも
この間、どうしても欲しい本が他になくて、
「やっぱり荻原さんだし。読んでみようかな」と購入。

面白かった!

導入部は大真面目な仰々しい会議の様子から始まります。
「うーむ・・・・ずいぶん硬い話?」と思ったのですが、
すぐに、その大真面目な会議の本当の中身に大笑い。

ここから一気にユーモアあふれる荻原節が全開です!

広告代理店をクビになって珠川食品に再就職した凉平は、
新製品の企画会議で話の分からないダメ上司たちにイライラして
喧嘩を起こしてしまい、「お客様相談室」へ左遷。
一緒に暮らしていたリンコにも突然出て行かれてしまい、
プライベートも仕事もメタメタ。

相談室にかかってくるクレーム電話は、
ろくでもない製品を販売しているおかげでとんでもないものばかり。
このクレーム対応ぶりがめちゃめちゃ笑えます。
(実際問題、こんな対応してたら会社潰れますけどね~^^;)

しかも、相談室はリストラ寸前の社員が追い込まれてくる吹き溜まりで、
一癖も二癖もある変人揃い。
加えて、ダメ上司やなにやら謎の「明石町」と呼ばれるお婆さんなど、
濃いキャラが目白押し。
この素晴らしく個性的な登場人物だちが、ものすごく効果的に
絡み合って、思わずぷぷぷっと笑ってしまうのですよ。

中でも、相談室の先輩格・篠崎のキャラがすっごいイイ味出してます。
ふだんは競艇にハマってフラフラしているのに、
ことクレーム対応に関してはプロ中のプロ。
ヤクザだってうまく追い返してしまいます!
これが痛快!

笑いに笑って、最後はホロっとしてしまい、
生きる希望がふっとわいてくる。
そんな荻原節がたっぷりと楽しめました!

荻原作品は少し当たり外れを感じるところがありますが、
これは文句なく「大当たり」でした~^^

by marin_star | 2006-05-15 23:16 | 荻原 浩  

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