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バグダッドのモモ(山本けんぞう アンドリュース・プレス)

これもmayuの中学校の図書館の本。
(まだしばらく続きます^^;)

戦火のバグダッドに住む少女・ももと、
旅の途中でももに出会った黒猫のモモの哀しいお話。

「どうしてにんげんは戦争をするんだろう?
答えは簡単だ。
戦争が好きだからだ。」

黒猫のモモから見る人間の戦争はおかしなことだらけ。

爆撃で死んでしまったお兄さん。
爆弾の影響で病気になり入院してしまったお母さん。
毎日壁に向かって動かないお父さん。
心の病にかかってしまったお姉さん。
お母さんの始めたトマト畑を一生懸命守ろうとするももと弟のびびちゃん。
命令に逆らうと殺される、と兵隊になって人を殺す、たるびの君。

戦争は、ほんのささやかな幸せさえも得ることを許さず、
家族を壊し、何もかも奪い、
お母さんもお父さんもびびちゃんも、ももを置いて死んでいってしまう。
最後に残されたももとモモは、水に抱かれるように沈んで川に身を投げ、
やっと家族の元へ帰っていく、というお話。

戦争の残酷さを思い知らされる本です。


作者の山本けんぞう氏は、テヘランやプノンペンの特派員の経験を持つ
NHKの国際部記者。
残酷な現実を見てきた筆者だからこそ書けるのだと思いますが、
それをストレートに書かずに、児童書としてしっかりとメッセージを伝えているのが
すごいな、と思います。
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by marin_star | 2008-05-12 23:59 | その他  

ホームレス中学生(田村 裕・ワニブックス)

これもmayuが中学の図書館から借りてきました。
でなきゃ、一生読まないだろうな的な本ですね、私の場合。
150万部突破!と帯にあります。スゴイですね~^^;

良くも悪くも奇想天外な中学時代を送った筆者の経験だけが
ものをいう作品です。
本人もあとがきに書いているとおり、文章力は無いし。^^;

面白かったですよ、サラッと読めて。
ま、特別あまり感想もないんですけど。


ワケも分からないままホームレス生活を始めた中学生の田村少年にとって、
突然「か、解散!」と言ったお父さんの心境とか、
親戚に引き取られなかった理由とか、
きっとあまり理解できていなかったと思うので、
そのへんの状況説明がなんとも曖昧で、「ふつう、おかしいやろ!?」と
ツッコミたくなりますが、それはそれ。
分からないことを執筆のために調べて物語の筋を強化する、なんてことを
全くやっていないところに、好感が持てます。(笑)

お涙頂戴や感動の押し売りでなく、やたら笑わせようとするわけでもなく。
ただ淡々とホームレス中学生だった頃を思い出しながら書いている感じがして、
嘘がないのが伝わってきて、よかったかな。



2007年 年間ベストセラー(ノンフィクション)部門 第1位
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by marin_star | 2008-05-12 12:38 | その他  

猫泥棒と木曜日のキッチン(橋本 紡・メディアワークス)

これも、mayuが中学の図書館で借りてきた本。

帯に「捨てられた子どもたちと 捨てられた猫たちの物語」とあります。

父と母に家出され、17歳にしてしっかり主婦感覚が見についているみずきと、
サッカーが大好きな5歳の弟・コウ。
サッカー部のレギュラーだったのに事故で足を損傷し、サッカーを続けられなく
なってしまった健一。
ひょんなことで知り合った彼らは、木曜日の夜に3人で一緒に食べる夕食の時間を
とても大切にしている。

近所の交差点で子猫が捨てられたり、子猫の轢き逃げ事故が多いことから
元凶となる家から猫を盗む計画を立てるみずきと健一。

ちょっと伊坂さんを思い出しました。

足の怪我への過剰な同情と心配を苦痛に思う健一と、
怪我のことなんてうっかり忘れてしまうボーダーレスなみずき。

たとえ犯罪と分かっていても自分の正義のために突き進むみずき。

血の繋がりの有無に左右されない家族の在りかた。

自分では身を守れない弱者への慈愛や、守られない理不尽な世界への怒り・・・

全編にわたって流れている思想や雰囲気が、なんとなく伊坂さんっぽい。
まあ、伊坂さんよりももっとライトな感じだけど。

物語の根底に流れる思想も作風も好きな感じです。
なんだか上手く説明できないんですが、
ちょっと素敵な本に出会っちゃったな、って感じ。
装丁も素敵です。


中学の図書館、あなどれないわ。
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by marin_star | 2008-05-07 23:15 | その他  

いじめ 14歳のMessage(林 慧樹・小学館)

mayuが中学の図書館から借りてきた本です。

「手元に置いて何度も読みたいから買っていい?」とmayuが言うほど
気に入ったそうなので、読んでみました。

とっても重いお話です。

中学2年の主人公・慧佳。
クラスメイトがいじめにあっているのを最初は黙って見ていたけれど、
勇気を出して「やめなよ」と止めた数日後から、
今度はいじめのターゲットになってしまう。

執拗ないじめ。
助けたクラスメイトも今度はいじめる側に混ざって笑っている。
知らん振りを決め込む教師。
どんどんエスカレートするいじめは、慧佳の心を押しつぶし、
たった一人の友達を信じることも、両親に助けを求めることもできないまま、
学校の窓から飛び降りてしまう。

児童向けの本って、いじめで自殺しても助かって周りも反省してハッピーエンド、って
いう展開が多い気がするけど、この本は違う。
飛び降りた慧佳は、生死の境をさまよったあげく、帰らぬ人となってしまうのだ。

自殺する前に誰かに相談できなかったの?
死ぬ気になれば、生きていさえすればどうにかなったはずなのに。

自殺のニュースを耳にするたびに、なんとなく他人事の私たちは
ついそう思ってしまうけれど、この本を読むと、なぜ相談できなかったのか、
なぜ死ぬ以外に選ぶことができなかったのか、
その本当の気持ちに触れることができる。

軽い気持ちで始めたいじめがこんなにも人の尊厳をめちゃめちゃにすること。
いじめられて死にたくなっても決して死んではいけないこと。
いじめられて悩んでいる人も、いじめをゲームのように思っている人も
みんな、この本を読んでほしい。

「人は愛し愛されるために生まれてくる」
「生きていないと絶対に幸せになれない」

この言葉の意味をじっくり考えてほしいから。


第18回 パレットノベル大賞審査委員特別賞 受賞作品
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by marin_star | 2008-05-07 22:20 | その他