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ドミノ(恩田陸・角川文庫)

うわ~~、面白かった!
もう、掛け値なしの面白さ!!
ジェットコースタームービーのような怒涛の展開、
それぞれの事情を抱えて東京駅を舞台にもつれ絡まり合う、
27人+1匹の登場人物たち。
しかもそれぞれがやたらと切羽詰った局面に追い込まれていて、
普通では考えられない必死の行動に。
本人たちが必死なだけに、次々と思いもしない事態に転がっていく様は
まさに「抱腹絶倒」「パニック・コメディ」!!!
結末に向けてどーーーーーーーーっと加速するスピード感あふれる展開は、
もうホントに息も付けない面白さ!で一気読みでした。

最初は登場人物が多くて、どうなんだろ~?と思っていましたが、
(個々の人物像が薄っぺらなのでは?なんて思って・・・)
それぞれが強烈な個性で生き生きと描かれていて、
登場人物が覚えられない、なんてことは全然ありませんでした。
これだけたくさんの人間を絡ませて中ダルミもなく、
突っ走るストーリー展開には脱帽です!
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by marin_star | 2005-06-15 22:08 | 恩田 陸  

オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎・新潮文庫)

150年前から外との交流を絶ち、存在すら知られずにいる「島」と
そこに住む一風変わった住人たち。
ウサギ夫婦、嘘ばかりつく画家、足が悪くて鳥が友達の孤独な男、
島で唯一殺人が許されている島のルールと呼ばれる男・・・。
変人ばかりなのに、なんだか切ない不思議な魅力を持った登場人物たち。
そして人の言葉をしゃべり、未来を知るカカシ ――― 。
ふわふわと現実感のない、おとぎ話のような世界なのに、
なぜか不思議なリアリティにあふれていて、心にすっと沁みこむような感覚が。

個人的には「桜」が、いい。
人間の奥底に粘るように張り付く「悪意」を、問答無用で抹殺する。
大人であろうと、子どもであろうと、残虐な行為・人を弄ぶ歪んだ心を許さない。
短絡的な設定だけど。

なぜ、カカシは未来を知ることができるのに
自らが殺されることを回避できなかったのか?
昔から島に伝わる「この島に欠けているもの」は何か?
このあたりの謎解きがミステリ、ということになるのかもしれませんが、
意外な結末!みたいなミステリを読んでる感覚はまるでなくて、
ミステリというよりもファンタジーなのでは?という感じです。
150年の間に静かに沈殿していったカカシの孤独と絶望。
欠けていたものを見つけた島のこれからの未来。
読み終わってもなお、思いを馳せてしまう余韻のある物語でした。
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by marin_star | 2005-06-14 23:24 | 伊坂幸太郎  

毒笑小説(東野圭吾・集英社文庫)

東野さんが本気で「笑い」を極めようとしているとは・・・(^m^*)ぷぷっ
半端じゃないですよ。面白すぎて読むのが疲れるくらい。
ちょっと「笑い」でも・・・なんて軽いモンじゃなくて気合い入ってますからね、
読むほうも生半可じゃいけません(笑)。

学生の頃、筒井康隆氏の毒のある笑いにハマッた時期があったんですが、
読んでてすっごく筒井さんっぽい!と思いました。
筒井さんのように目玉や内臓が飛び出たり、みたいなグロな描写はありませんが、手加減のない笑いの追及ぶりは同じ匂いが・・・。

徹底したバカげた話がどんどんエスカレートしていく「誘拐天国」、
天使の姿をした新生物が異常増殖して全世界がパニックになる「エンジェル」など、全12編の短編が収録されていますが、
私が気に入ったのは前半の5編。
上記2編と「手作りマダム」「マニュアル警察」「ホームアローンじいさん」。
どれも、どこかでネタになっていそうな話なんだけど、
東野さんにかかるとこんなにも面白くなるのか^^!とニヤニヤしてしまいます(爆)。
後半の7編は、ある意味期待を裏切るような切ない話があったり、
ミステリ仕立てだったり・・と飽きさせませんが、
私の好みとしては前半のノリで突っ走って欲しかったなぁ~~。

巻末の京極夏彦さんとの対談も興味深いです。
やっぱり、東野さんは昔、筒井さんをたくさん読んでたそうだ!
そして、大傑作「秘密」のすごい裏話も。
未読の方はぜひ!(巻末だけ立ち読みしないでね~)

このとてつもない笑いの世界はまだまだ続きます。
これより前に出してる「怪笑小説」、そして最近単行本になった「黒笑小説」。
東野さんのあくなき挑戦をみんなで応援しましょう!(爆)
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by marin_star | 2005-06-09 12:32 | 東野圭吾