カテゴリ:東野圭吾( 24 )

 

私が彼を殺した(東野圭吾・講談社文庫)

1年ぶりの更新ですね・・・・^^;
もう再開することはないかも。。。。とほったらかしだったんだけど、
つい先日、ついに、ついに・・・

この本の謎が解けましたぁ~っ!!!

ってワケでこの感動を一言書き残しておこうかと・・(笑)


実はこの本、前作ともいえる「どちらかが彼女を殺した」を読んだあと、
すぐに一度めを読みました。

えぇ~~~~~っ!
・・・・・・ (絶句)
全く分からないよーーー(ToT)

悲しすぎるほどに、推理の手がかりすら何も見つかりません!!
すぐに気合いを入れ直し、メモを片手に2回目にチャレンジ。

しかし・・・・・
時系列に登場人物全ての動きをメモったにもかかわらず、完敗。

3回目を読み終わって、敗北感たっぷりで巻末の袋綴じを開く決意を。
(チョキチョキチョキ・・・)
なのに・・・・
やっぱり分からない。。。。(ガーーーーーーン・・・orz)


凹みました。


でも、ネットで答え合わせするのもすごく癪で、
それから何度読み返したことでしょう。。。
その度に打ちのめされる敗北感ったら。

あまりの自分の頭の悪さに嫌気がさし、解明できぬまま放置すること2年あまり。

つい先日、友人にこの本を貸すことになり、その前にもう一度!!と
チャレンジしてみたら・・・・

あぁ~~~~~っ!!!

わ、・・・分かりましたぁ!!!!
そういうことだったのか!

何で今まで気付かなかったんだろう~(涙)って気持ちと、
こんな伏線、普通は読み流すだろっ!(怒)って気持ちがごたまぜでしたよ。

(いや、巻末のヒントを読んでいながらなんでこんなに分からなかったのか、って話ですが。。)

完全に東野さんにヤラれました。


あーーー、でもスッキリした!!!



というワケでレビューでもなんでもない戯言ですが、
推理好きの方はぜひチャレンジしてみてくださいませ^^
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by marin_star | 2009-06-16 12:07 | 東野圭吾  

赤い指(東野圭吾・講談社)

単行本を譲っていただいたので、文庫化を待たずに読めました♪
これは店頭でもかなり目立っていて(表紙の装丁がすごくイイですね)、
読みたかったのでラッキーでした^^

さて。。。

すごく重くて嫌なテーマのお話でしたね。

幼女に悪戯をしようとして首を絞めて殺してしまった未成年の男・・・・
それが自分の息子だったら・・・?
そんな悪夢のような苦境に立たされた夫婦が取った行動とは、
反省の色も無い息子の罪を隠すために死体を遺棄し、
ボケ始めた老母に罪をなすりつけることだった。。。

考えただけでも恐ろしい。
自分達の生活を守るために血の繋がった母を陥れるなんて。
息子の愛し方を間違った母親、妻のいいなりで保身に走る父親、
現実逃避する息子・・・
恐ろしいまでに浅はかなこの家族が妙にリアルで痛々しかったです。


この愚かな罪を犯そうとする彼らを捜査するのが、加賀刑事。
加賀、といえば、東野作品ではお馴染みの敏腕刑事。
癌に侵され余命いくばくもない加賀の父親とのやりとりが、
物語に厚みと切なさを加え、親子の絆とは何なのかを考えさせられます。

東野さんらしく、静かでいいラスト。
加賀刑事がカッコイイです。

「彼ら自身によって明かされなければならない」真実・・・。
ミステリとしては少し弱かったし、加賀刑事の人情に訴える捜査も
現実的にはありえないかもなー、と思ったりもしましたが、
読み応えはありました。
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by marin_star | 2007-04-17 23:31 | 東野圭吾  

幻夜(東野圭吾・集英社文庫)

ついに読みました、「幻夜」。
やっと文庫になった~~!って感じですね。

しかし・・・ものすごくレビューが難しいです~。
「白夜行」とどう絡んでくるのか・・というところを書かないと
なかなか語れない部分があるんですよね。

できるだけ致命的と思われるネタバレはナシでいきたいと思いますが、
多少ネタバレありになると思うので、
未読の方は以下お読みにならないようお願いします~。




まず、もろもろ話題のこの作品、正直予備知識はほとんどない状態で
読んだのですが、結果的にそれがよかったかも、という印象です。

阪神淡路大震災の混乱の中で、衝動的に叔父を殺害してしまった雅也。
そしてそれを目撃していた美冬。
二人は被災した大阪を離れ、東京で密かに「二人の幸せ」を求め
悪事に手を染めていく。
美冬の指示のまま罪を重ねる日陰の存在の雅也、
「二人の幸せ」といいながら一人のし上がっていく美冬 ――。
そして、彼らを執拗に追う刑事・加藤。

これはまさに、「白夜行」の雪穂と亮司の構図です。

ただ圧倒的に違うのは、美冬と雅也の関係。
雪穂と亮司はある意味対等であり、
強い絆が確かにあったと私は思っていますが、
美冬にとって雅也は利用するだけの男。
彼を従順な下僕として育てるために、冷酷非道な犯罪を強いて
忠誠を誓わせる美冬。
不満・不安、そして苦悩を抱えながらも美冬のいいなりになる雅也・・・。

「白夜行」では決して語られなかった主人公二人の心情ですが、
この作品では、彼らの心情も含めて物語が語られていきます。

東野さんは「白夜行」を書いたときに、
すでに「幻夜」の構想があったのでしょうか。
主人公の心情を徹底的に排除した作品を、次の作品で別の側面から描く・・
という構想がもともとあったのか。
それとも「白夜行」で理解しにくかった世界を、
違った手法で分かりやすく描こうとした「白夜行」ありき、なのか。

私としては、
「白夜行」の世界観の凄まじさは圧倒的に素晴らしいと感じているので、
この「幻夜」という作品をなぜ東野さんがこの世に送り出したのか・・・
それがとても気になります。


そんなことを考えながら読み進めていくと、
最後には「あっ・・・そうだったのか。」という瞬間が。
予備知識のなさがむしろよかった・・と思ったのはこの瞬間です。
文庫で770ページを超える大長編を、
けっこう悶々とした感じで読み進めていた私にとって、
「やっぱり東野さんはスゴイ」と再認識させられた瞬間でした。

いろいろと予備知識があって読むとまた違った読み方ができると思うので、
時間のあるときに2作品続けて再読してみたいです。


「幻夜」を単独の作品として評価するならば、
残念ながらそれほど好きな作品ではありません。
でも「白夜行」ファンとしては、
読まなければ!という作品であることは確かですし、
「白夜行」を読んでいるからこそ膨らんでくる「幻夜」の世界が
あることも確かです。


解説には、「白夜行」三部作について
東野さんが「もちろん頭においている」と答えています。
完結篇、あるんでしょうかね。
読みたいような、読みたくないような・・・
いや、でも作品化されたら絶対読みたいですね!
その際にはやっぱり雪穂と亮司の真の絆が
鮮やかに蘇るようなラストを期待したいです。
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by marin_star | 2007-04-10 08:30 | 東野圭吾  

手紙(東野圭吾・文春文庫)

東野さんの待望の「手紙」文庫化、
購入して一晩で一気に読みました。

弟の進学費用のために強盗殺人を犯してしまった兄・剛志が、
獄中から弟・直貴のもとへ送る手紙を軸に、
「強盗殺人犯の弟」という運命に苦しめられながら
生きていく直貴の人生を描いています。

直貴は、女性に好まれる程度に容姿も魅力があり、
一度は断念した大学進学も自力で叶えるほどの学力もあり、
友人に誘われたバンドではプロデビューの話が舞い込むほど
歌の才能にも恵まれているが、
進学・バンド活動・恋愛・就職・・・というチャンスに
決まって「強盗殺人犯の弟」という運命が非情にも立ちはだかる。
いくら隠しても消えない兄との絆。

自分のために罪を犯した兄を、次第に疎ましく
断ち切りたいと思うようになる直貴。
確かに、こんなふうに隠しても隠してもほじくりかえされる家族の罪を
背負って生きていくのは、つらい。

そんな思いで必死に生活している直貴のもとへ届く剛志の手紙は、
検閲を通ってくるためにたいしたことは書けないせいもあり、
どこかのんびりした感じを受けてしまう。
塀の外を知る手段がないために時間の流れが止まり、
自分の罪を弟がどのように背負って生き続けているのかが見えない。
それが直貴をさらにイライラさせることになる。
獄中の厳しい生活の様子が語られない分、余計に塀の外の家族の
辛さが際立ってくるようだ。
このあたりの“手紙”の使い方は、さすが東野さん、上手いな~と思います。


読む手が止められず引き込まれるように読ませる力のある作品でしたが、
読後、なんだか残るものがちょっと弱かった感じです。。。
ラストもイイ感じで終わって、キレイにまとまっていたとは思うのですが・・・
(評判もよい作品で直木賞候補にもなったのに・・・)
東野さん待望の文庫、という期待値が大きすぎたのかもしれません。

「差別はね、当然なんだよ。我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。
自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる――
すべての犯罪者にそう思い知らさせるためにもね。」

平野社長のこの台詞や存在そのものも何かちょっと直接的すぎて、
もっと深みのある登場の仕方や関わり方で訴えかけてほしかったかも。
犯罪加害者の家族をこんな視点(=差別しなきゃならない)で描いた作品は
あまりないと思いますが、やはり台詞で説明するのではなく
作品全体でこのメッセージが伝わるほうが、わたし的には好みかも。

犯罪加害者家族としては直貴は恵まれているほうだと思います。
素性を明かしても変わらない愛情・友情をぶつけてくれる由美子や寺尾の
存在もあるし。

犯罪加害者家族のつらさや、家族の罪を背負ってどうやって生きていくのか、
というテーマなら、乃南さんの「風紋」「晩鐘」のほうが読み応えがありました。
(こちらは犯罪加害者と犯罪被害者両方の家族の物語なんですけどね。)


・・・と、かなり辛口になってしまいましたが、
東野さんだからこそ・・とお許しください(笑)。
読みやすいボリュームでメッセージもしっかり伝わってくるし、
ラストに希望も見える。
普通の作家さんなら問題なく評価の高い作品だと思います。




2003年 直木賞候補作品
2006年11月 映画化(山田孝之・沢尻エリカ・玉山鉄二 他)
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by marin_star | 2006-10-13 08:41 | 東野圭吾  

あの頃ぼくらはアホでした(東野圭吾・集英社文庫)

ずーーっと避けていた本でした(苦笑)。
なぜなら、エッセイというものがとても苦手な私・・・。
でも、大好きな東野さんの頭の中をちょっと覗いてみたい~~・・と、
まあ、ダメもとで(ひどい・・^^;)読んでみました。


ワルの巣窟、悪名とどろくオソロシイ学校で学級委員をやっていた
“命がけ”の中学時代。日本で最初に学園闘争が起こり、制服が
廃止されたという「有名校」での熱血高校時代。
花の体育会系&“似非(えせ)理系”だった大学時代・・・・(中略)
怪獣少年だった小学生時代から大学を出て就職するまでを赤裸々に
つづる(?!)青春傑作記。

と、裏表紙に書いてありますが・・・


東野さんって怪獣オタクなんだー。



・・・という程度の感想でしたね。。。(再び、苦笑)

怪獣の話以外は、そんなに熱入れて書いてないでしょう?思ってしまうほど、
オタクっぷりを発揮。
おかげで、他の話がかすんじゃって、覚えてないよー。


ってわけで、パラパラめくりなおすと。。。

あー、そうそう。面白かったのがあった、あった。
読書嫌いだった東野さんが、初めて推理小説を書いたときの話
「読ませる楽しみ、読まされる苦しみ」、
貧乏スキーで無茶をした「何かが違う」、
高校の文化祭で映画制作をした「あの頃僕らは巨匠だった」の3つ。
ちゃーんとオチがあるところが、東野さんらしくて
思わずプっと笑えました。



怪獣ネタはねえぇ~・・・男の人で同年代なら熱く読めるかも。
私の兄と東野さんが同年代ともいえるので、
「ウルトラQ」とかも全くわからないわけではないのが救いだったかな・・^^;


怪獣ファン、あるいは無類の東野さんファンの方以外は、
本屋で素通りしてよいかもしれません~。
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by marin_star | 2006-09-03 21:47 | 東野圭吾  

殺人の門(東野圭吾・角川文庫)

なんと表現したらよいのか、非常に難しい小説でした。

お手伝いさんを雇うほど裕福な歯医者の息子、田島。
小学生の頃から地道に働くことより大きく儲けることに執着していた倉持。
この二人の小学生時代から青年期まで延々と続く因縁を
克明に丹念に綴っていく、地味といえば地味な物語です。

「あいつを殺したい」 ―― 多くの人間が願望のみに踏みとどまる
一線を踏み越えてしまうものは何なのか。
田島は、ささやかな自分の幸せを瓦解させ翻弄する倉持に殺意を抱くが、
口の上手い倉持の前に殺意は増幅したりしぼんだりを繰り返し、
その一線を越えることができない。

田島という男は、はたから見てもお人よしで、
意志が弱く、流されやすい、懲りない男。
なんでそこでまた騙されるかなぁ~…と思う場面が
何度も出てきます。
女にも免疫がなさすぎて、すぐにのぼせ上がっちゃうし。
言い訳を聞かされれば、すぐにコロッと言い含められちゃうし。

でも、こういう騙されやすい弱い人間って確かに存在すると思う。
そんな弱い男を、思うがままに「捨石」にしてまとわりつく倉持のような男も
たぶんたくさん居るんだろう。
そんな歪んだ因縁と、増幅したりしぼんだりを繰り返す殺意の行方を、
丹念に淡々と、しかし力強く描いている力作だと思います。

派手な展開はないけれど、なぜか読むのを止められない、
そんな作品でした。

ただ、解説にあったようなラストに登場する男の台詞や「友情」という言葉は、
まったく理解できませんでした。
田島と倉持の間には、歪んでいたにしろ「友情」なんかなかったでしょ。
あったとしたら、倉持の一方的な支配欲。
「田島のお人よしな性格は自分の予想の範疇を超えない」っていう程度の
信頼(?)みたいなものはあったと思うけど、
それを「歪んだ友情」というのはどうかなぁ?と思う。
他人の人生を手中に握ることでしか満足を感じられない男に目を付けられ、
いいように振り回されて憎悪と殺意に揺れ動く哀れな男の話、と
感じられました。
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by marin_star | 2006-07-06 09:16 | 東野圭吾  

超・殺人事件-推理作家の苦悩-(東野圭吾・新潮文庫)

またまた東野さんのブラックユーモア作品集です。

ミステリ作家の東野さんがこんな本を出版してしまうこと自体が
まんまブラックです~。

税金対策のために、小説を書くための経費を捻出しようと
ストーリーを捻じ曲げてしまう「超税金対策殺人事件」から始まる8編の短編が
次から次へとブラックな笑いの世界へ引きずり込んでいきます。

「超理系殺人事件」では冒頭のタイトル下に
  この小説が肌に合わない方は飛ばし読みしてください。
と書いてある・・・
理系オンチの私はマジで途中、飛ばし読みしそうになりましたよ~^^;
そしてそんな読み方が正しかったと笑ってしまうオチがまたスゴイ。

問題篇と解決篇に分かれている「超犯人当て小説殺人事件」は、
ブラックな中にもちゃんと謎解きも仕組まれてて、
なるほど!と唸らされるし、
どんな小説も一瞬にして読破して書評を作成してしまう機械“ショヒョックス”に
頼る書評家たちを辛辣に笑い飛ばす「超読書機械殺人事件」も面白い。

他にも
 「超高齢化社会殺人事件」
 「超長編小説殺人事件」
 「魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)」
などなど、もうタイトルを見るだけで
くだらなそうな面白そうなワクワクする感じ。
そして、それを裏切りません!

当事者がこんなにおちょくっていいのか!?と思えるほど
ミステリ業界を笑い飛ばしてしまう東野さんのクールさに
またヤラれてしまいました^^

これは電車の中などで読むと「クククッ」という感じの笑いをこらえられないので
こっそり人気のないところで読むことをおすすめします。

しかし・・・・
この文庫、2004年5月に刊行されたのに2006年1月にやっと二刷です。。。
こんなに面白いのに。
東野さんは作品数が多いので、やはり相当なファンでないと
ここまで手に取らないかもしれませんね。残念。
直木賞受賞後、今まで取り扱ってなかった書店でも平積みしてたので、
こういう作品にももっと光があたるといいなぁ~。


2006年3月読了
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by marin_star | 2006-05-11 12:05 | 東野圭吾  

容疑者Xの献身(文芸春秋・東野圭吾)

祝!直木賞受賞!!
・・・ということで、文庫派の私ですが、本屋に走りました^^。

なんの予備知識もなかったので、「探偵ガレリオ」の湯川さんたちが
登場してきて、ちょっとビックリ。
でも、この物語は湯川さん無しでは存在し得なかったのですね。。。

純愛、ですね。
緻密な天才数学者(現在は高校教諭だけど)の「献身的」な深い愛情が
描かれつつ、事件の謎解きのミステリとどんでん返し、
そして謎解きのきっかけまでもが、深い友情とミステリの両方に
なんともいえない切なさを加えています。

夢中になってページをめくったり、涙が止まらなくなるような激情的な
感動ではなく、静かな深い「切なさ」が残る物語です。

よい本でした。
でも、東野さんにはもっともっとよい作品がたくさんあると思います。
とにかく念願の直木賞受賞、「ゲームに勝てて」おめでとうございます!
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by marin_star | 2006-02-05 22:30 | 東野圭吾  

時生-トキオ-(東野圭吾・講談社文庫)

文庫刊行後の9月初めに読んだのですが、「流星ワゴン」の後だったので、
ちょっとイマイチだったんです。
同じような時空を超えて家族に会う・・というお話で、「流星ワゴン」は
とてもイイ作品で読後もかなり余韻が残っていたし、
「時生」の主人公(拓実)があまりにもダメ男でイライラしっぱなし。。。
拓実のだらしなさぶりへの怒りが先走ってしまい、
こんな男はどんなことがあったって更正したりできっこない・・って思えて、
病院で時生を見守る姿とのギャップが埋まらなかったんですよね。

で、レビュー書きにくいなぁ・・・と思ってそのままに。
なんとなく心に引っかかっていたので、再読してみました。
すると・・・
なんか、9月に読んだときよりも、いい。
拓実は相変わらずダメでどうしようもない男だなぁ・・・と思ったけれど、
その分、トキオの一生懸命な想い、必死な気持ちがグッときます。
どうしようもないダメ男が、トキオと過ごす時間の中で少しずつ少しずつ
変わっていく。
その変化は本人が認めたくなくても確実に彼の根底を揺るがし、
別人のように更正させる力を持っていたのだ・・・。
そのへんが読みきれてなかった・・・と、猛省。

若干、「?」と思うパラドックスはあるものの、結局のところどんな回り道をしても
時生は生まれ、そして拓実と花やしきで出会うんだろうな。
そしてそれは、とても幸せなことなんだ。

ただ残念だったのは、
唯一かっこいい姐さんキャラの竹美以外は、なんか魅力の乏しい登場人物
ばかりだったかも。
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by marin_star | 2005-12-14 21:30 | 東野圭吾  

鳥人計画(東野圭吾・角川文庫)

日本スキージャンプ界のエース、天才ジャンパーの楡井が毒殺される。
楡井は天性の明るさと屈託のないキャラクターで、
才能を羨む者こそあれ、憎む者などいない男だった。
警察の捜査が行き詰る中、犯人を告げる密告状が・・・

犯人探しのミステリではなく、完璧を自負していた計画に気付いた密告者を
犯人が推理する・・・というひねり方が、地味ながらも東野さんらしい作品だな、
と思います。

殺人事件の動機というものは、どんなものにしろ
自己中心的な理由からだとは思いますが、
あまりにも身勝手な自己愛から生まれた殺意に、楡井が可哀想になります。

最近、ラストの展開に納得いかないミステリが多い中で、
やっぱり東野さんはラストまで素晴らしい、と改めて思います。
緻密な伏線やプロットにブレが無く、最後の最後に必ず驚きのどんでん返しや
余韻のあるラストを用意してくれるのは、さすがです。


しかし、スポーツが舞台のミステリというのはやはり難しいですね。
そのスポーツの知識がある程度あったほうが楽しめると思います。
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by marin_star | 2005-11-24 22:38 | 東野圭吾