カテゴリ:伊藤たかみ( 3 )

 

指輪をはめたい(伊藤たかみ・文春文庫)

前の彼女にふられてから、30歳になるまでに絶対結婚してやる!と
心に決めていた「僕」。
30歳の誕生日を目前に、スケートリンクで転倒して頭を強打したショックで、
誰にプロポーズしようとしていたのか、という肝心な記憶だけがすっぽりと
抜け落ちてしまった!!
しかも、交際している女性は3人、
はたして「僕」は誰にプロポーズしようとしていたのか・・?

・・・とまあ、こんな感じのツカミで始まり、誰と結婚しようとしてたか
忘れてしまうくらいなら、誰とも結婚しないほうがいいんじゃない?
って思うんですが、
どうしてもふられた彼女を見返してやりたくて30歳までに結婚する、と
頑なになる「僕」。こどもっぽいね~~~~^^;

しかも、同時に3人と付き合ってて、それぞれにイイところや悪いところを
冷静に比較してるところなんて、最低だね。
こんな男、絶対結婚したくないっ!!!
しかし、付き合ってる女も女で自分勝手だったりマイペースだったり
ものすごく神経質だったり・・・と揃いも揃って、
コレ、3人ともやめといたほうがいいんじゃない?って感じ。

なんかねー、どうなったっていいんじゃない~?って
かなりダレた気分で読んでいくと、
ちょっと変わった女の子が絡んできたりして、またどんどん泥沼化していって、
やっぱり最後までぐずぐずなわけ。
もう、あきれるくらいに幼稚でバカな男だね。
世の中の30前の男がみんなこうだったら、泣けてくるよ。
あまりに情けなくて、情けなさを通り越して笑っちゃいます。

でもね、いるよなー、こういうヤツ。
男も女もどっかしらこんな部分を持ってるのかも。

ラストはちょっと怖い。
ダラダラで終わるのかと思ったら、こうくるか!って展開で、
あんまり納得いくラストではなかったと思います。
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by marin_star | 2006-11-24 22:39 | 伊藤たかみ  

ミカ×ミカ!(伊藤たかみ・文春文庫)

ミカ!」の続編です。
小学生だった双子のミカとユウスケは中学生になり、
ちょっぴり大人になりました。

オトコオンナだったミカが、
ユウスケの知らないうちに恋をして、しかもふられていた!

「女らしいってどんなん?」

制服のスカートだってあんなに嫌がっていたのに、
「お試しメイクセット」なんて買っちゃって、リップを塗るミカ。

ユウスケ、戸惑っちゃうよね~^^;
女のコのほうが先に大人に近づいちゃうんだよね、この年代って。

でも、ユウスケは離婚したおかあさんの残していったレシピブックを
大事にしていて、おかあさん秘伝のセロリカレーを作ったり、
お父さんの新しい恋人に「おとうさんをよろしくお願いします!」なんて
言っちゃったり、ミカの恋が上手くいくように心配したり・・・
自分の恋のコト以外は、とても大人びていて、しっかりしている。

恋の面ではミカに先を越されたけれど、修学旅行を前に彼氏彼女を作ろうと
盛り上がる雰囲気の中で、ユウスケにも告白してくる女のコが現れたりして・・・
しかも、ちょっとイヤだなぁ~、って思ってた女のコからの告白。
純情で、でも「修学旅行までに・・」みたいな幼稚な打算、
こういうの、あったよねぇ~^^;

「シアワセ」と名づけたインコが、『幸せの青い鳥』になろうと、
ユウスケだけに聞こえるように耳にクチバシを突っ込んで、
ミカを幸せにしようと画策するのが、この物語のミソなんですが、
それがとってもキュートで切ないです。
ラストもじーんときちゃう。


大人が読んでもちょっぴり泣けちゃう、そしてほのぼのとした気持ちになれる、
ステキな本です。
ぜひ「ミカ!」とあわせてどうぞ。
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by marin_star | 2006-11-15 23:38 | 伊藤たかみ  

ミカ!(伊藤たかみ・文春文庫)

「あー、アタシ、なんで女に生まれてきたんやろ!なんでや!」
そんなふうに嘆く小学6年生のミカ。
プロレスやK-1大好き、サッカーもドッヂボールも男の子に手加減されるのが
大嫌い、スカートもいや、おっぱいなんていらない!・・・と
徹底したオトコオンナっぷりを発揮するミカがとっても魅力的。

そんなミカと双子のユウスケが、二人の日常と、
両親の別居・姉の家出などの家族の問題をやさしい目線で語り、
二人が成長していくお話です。

小5の娘用に買ってあげて、娘のあとに読みました。

同級生との会話や、双子のミカとの会話がものすごく自然で、
読んでいる自分もすとん!と小学生の目線になっている感じになります。
異性を意識し始めたり、カラダの変化にとまどったりする
微妙な小学6年生の思春期のココロを、とても素直に子どもの目線で
生き生きと描いています。

ミカとユウスケの両親は別居していて、ついに離婚することになり、
高校生のお姉ちゃんは、家出して別居中のお母さんのところへ行ってしまう。
「お父さんは孤独」なんて分かってしまうユウスケはとってもやさしい。

そして、悲しい「すっぱい涙」がカラダにポタリと落ちると、
クネクネとして大きくなる「オトトイ」と名づけた不思議ないきもの。
ミカもユウスケも悲しいことがあると、こっそりオトトイのところに来て
涙を流していくので、オトトイはどんどん大きくなってしまうのだ。

小学生でも、それなりにツライことがいっぱいあって、
泣き場所が欲しいんだよね。



「子どもには幸せになる権利がある」
「正確には、子どもだけじゃなくて みんなその権利を持っている」

だから、大丈夫。
今日はたくさん泣いてしまっても、明日はきっと元気がでるよ。
誰だって幸せになれるんだから。



児童文学ですが、大人でもちょっとほのぼのしながら
面白く読めてしまう本です。
小学校高学年の子どもがいるママさんには超おススメ。
続編の「ミカ×ミカ!」もあります。


第49回小学館児童出版文化賞受賞作
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by marin_star | 2006-11-13 23:22 | 伊藤たかみ