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半落ち(横山秀夫・講談社文庫)

文庫化になってすぐ読んだのですが、レビュー書くのが遅くなりました・・・

この作品の映画化で初めて『半落ち』という言葉を知りましたね。
私にとっては、映画化が先でよかったかも。
寺尾さんの存在がなかったら、この作品の良さは理解できなかったかもしれません。

この話の中でとても重要なのが、寺尾さん演じる妻殺しの警察官・梶の
『澄み切った眼』『心の窓』『物静かで穏やかな目』。
取調べにあたる刑事や、検事、新聞記者や弁護士、裁判官・・・
梶に深く関わる周囲の人々が、彼の『眼』に秘められた想いを、
何を秘めているのかも分からぬまま守ろうとする。
もしかしたら小説の描写だけでは、なんで周りの人がここまで?と思ったかも。
寺尾さんのイメージがあったからこそ納得できた部分があったかもしれません。
(私の想像力が足りないのですね・・・)

もう一つ、実感として分からなかったのが、
なんで『空白の2日間』や『歌舞伎町』に、こんなにもナーバスになるのか・・・。
もし、梶が警察官でなかったら、きっとこれほどこだわらずに、
ベルトコンベヤーに乗せられるように刑が確定していくんだろう、と
思わず身震いしてしまいました。
梶が心の内に秘めた思い、というのも、もうちょっと深みがあるのかと・・・

やはり話題になりすぎて期待が大きすぎたでしょうか。。。
ちょっと辛口のレビューになってしまいましたが、面白い作品ではありました。
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by marin_star | 2005-11-01 23:56 | 横山秀夫