カテゴリ:浅倉卓弥( 1 )

 

四日間の奇蹟(浅倉卓弥・宝島社文庫)

読了は2004年12月頃だったと思いますが、
感想を書きそびれてました。
最近映画化の話題で再度盛り上がってきたので
思い起こした次第・・^^;。

もう、あちこちのレビューサイトで書かれているとおり、
本当に出会えてよかった、と思える、魂が救われるような物語です。

問題の魂の入れ替わりの場面に来たときには、
あれ?『秘密』のパクリ?とちょっとトーンダウンしてしまったのは
事実ですが、読み進めるうちに全く違う物語となっていき、
そんな設定の符号は全然気にならなくなりました。
それどころか、瑞々しい研ぎ澄まされた感性に満ち溢れた筆致が
素晴らしく、真理子の切ない心の叫びや静かに耐える健気さに、
泣けて泣けて仕方ありませんでした。

海を見下ろせる丘の上に経つ病院と礼拝堂。
赤い夕日を背景に黒いシルエットで浮かび上がる情景が
物語の最初のほうに描かれていますが、その描写がとても印象的で
心に強く残っています。
最後に礼拝堂で奏でられる『月光』の場面も。
繊細なそれでいて力強く荘厳な情景をありありと見せてくれる、
描写力・表現力の素晴らしさ!

登場人物もそれぞれにきちんと生きてきた人生を背負っていて、
それがしっかりと描かれています。
次回作が本当に楽しみな作家さんです。
[PR]

by marin_star | 2005-04-15 22:56 | 浅倉卓弥