カテゴリ:重松 清( 2 )

 

トワイライト(文春文庫・重松 清)

小学校の卒業記念とかにタイムカプセルを埋めることって、
結構あるよね。
20年・30年後の未来に輝く期待と可能性を
無条件に信じていたあの頃。

そんな過去の純粋で少し恥ずかしい思い出に対峙するとき、
現実の厳しさを背負い込んだ「大人」の私は、
いったいどんな反応をするのだろうか。。。

過去にタイムカプセルを埋めた経験はないけれど、
そんなことを考えてしまう、切ないお話でした。

ドラえもんの登場人物になぞらえた、過去からのタイムカプセル物語。
ホロ苦いどころか、苦々しいどうしようもない現実、
輝かしいと信じていた「未来」への喪失感・・・。
ほんと、登場人物たちはみなものすごい切ない事情を抱えてます。

もし今、12才の自分が現実にふと現れ、
「あなたは、いま幸せですか?」と聞いてきたら。
・・・「幸せよ」って笑っていえるのかな?
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by marin_star | 2006-02-06 21:46 | 重松 清  

流星ワゴン(重松清・講談社文庫)

最近ミステリばかり読んでいたんですが、
これは話題作で評判がよかったみたいだし、
時空を超えて人生をやり直すことはできるのか?という、
ちょっとファンタジックな、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を思わせる
題材に惹かれて購入。

『死んじゃってもいいかなぁ、もう・・・』
そんな思いを漠然と抱えた主人公の一雄(カズ)、38歳。
リストラ、息子の家庭内暴力、妻の浮気、
そして、幼い頃から大嫌いだった父は癌で余命いくばくもない。
何もかもが上手くいかない、いつからこうなってしまったのか――――。

そんな彼の前に、5年前に交通事故死した父子の乗ったワゴンが現れ、
過去のたいせつな場所へ運んでくれる、という。
そして向かった場所では、死に直面しているはずの一雄の父が、
一雄と同じ38歳の若さで現れる。

時空を超えてやっと本音を言い合えるようになる一雄(カズ)と父(チュウさん)。
不器用な頑固者ではあるけれど心根は子供想いのチュウさんの姿が、
自分の親と重なったりしてとても切なくいとおしいです。

親として子供に何を伝え、何を残してやれるのか、
また、子として親にどんな言葉をかけてやればよいのか・・・・
そんな親子の在り方や関わり方を考えさせられる本でした。
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by marin_star | 2005-04-14 22:38 | 重松 清