2006年 05月 11日 ( 2 )

 

超・殺人事件-推理作家の苦悩-(東野圭吾・新潮文庫)

またまた東野さんのブラックユーモア作品集です。

ミステリ作家の東野さんがこんな本を出版してしまうこと自体が
まんまブラックです~。

税金対策のために、小説を書くための経費を捻出しようと
ストーリーを捻じ曲げてしまう「超税金対策殺人事件」から始まる8編の短編が
次から次へとブラックな笑いの世界へ引きずり込んでいきます。

「超理系殺人事件」では冒頭のタイトル下に
  この小説が肌に合わない方は飛ばし読みしてください。
と書いてある・・・
理系オンチの私はマジで途中、飛ばし読みしそうになりましたよ~^^;
そしてそんな読み方が正しかったと笑ってしまうオチがまたスゴイ。

問題篇と解決篇に分かれている「超犯人当て小説殺人事件」は、
ブラックな中にもちゃんと謎解きも仕組まれてて、
なるほど!と唸らされるし、
どんな小説も一瞬にして読破して書評を作成してしまう機械“ショヒョックス”に
頼る書評家たちを辛辣に笑い飛ばす「超読書機械殺人事件」も面白い。

他にも
 「超高齢化社会殺人事件」
 「超長編小説殺人事件」
 「魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)」
などなど、もうタイトルを見るだけで
くだらなそうな面白そうなワクワクする感じ。
そして、それを裏切りません!

当事者がこんなにおちょくっていいのか!?と思えるほど
ミステリ業界を笑い飛ばしてしまう東野さんのクールさに
またヤラれてしまいました^^

これは電車の中などで読むと「クククッ」という感じの笑いをこらえられないので
こっそり人気のないところで読むことをおすすめします。

しかし・・・・
この文庫、2004年5月に刊行されたのに2006年1月にやっと二刷です。。。
こんなに面白いのに。
東野さんは作品数が多いので、やはり相当なファンでないと
ここまで手に取らないかもしれませんね。残念。
直木賞受賞後、今まで取り扱ってなかった書店でも平積みしてたので、
こういう作品にももっと光があたるといいなぁ~。


2006年3月読了
[PR]

by marin_star | 2006-05-11 12:05 | 東野圭吾  

K・Nの悲劇(高野和明・講談社文庫)

ホラー苦手の私ですが、高野作品ということで
チャレンジしました。。。
いえ、決してホラーではないと思います。
でも、極端に怖い話がダメな私にとっては十分怖かったんです~~(汗;;)

フリーライターとして突然脚光を浴びた修平と結婚、
新しいマンションで生活を始め、すぐに妊娠した果波。
印税をあてにして購入してしまったマンション、
二人の新しい生活へいきなりもたらされた「妊娠」。
修平は中絶を望み、
果波は「本当は子どもを産みたい」という願いを無理やり封じ込めるが、
心のバランスを崩した果波は突然何かがとり憑いたかのように
異常な行動を起こしていく・・・・。

精神の病なのか、それとも死霊の憑依なのか・・・?

二重人格者のように変異する果波と一緒に暮らす修平の恐怖が
そのまま私の恐怖となって迫ってきて怖かった~~
(読後数週間、髪を洗うときに目がつぶれなかった・・・^^;)

精神科医・磯貝のストーリーも物語に厚みを出していて、
このあたりはさすが高野さん、という感じです。

飽きさせず最後までハラハラしながら読むことができましたが、
もともとの出発点(修平が経済的なことを理由に中絶を選び、
果波も不本意なのにそれを受け入れてしまうこと)には
納得がいきません。
でも現実的には、そんな事情で堕胎してしまう親になれない人たちが
たくさんいるということかもしれませんね。。。

2006年3月読了
[PR]

by marin_star | 2006-05-11 08:21 | 高野和明