冷たい校舎の時は止まる<上・下>(辻村深月・講談社文庫)

ひさびさに読み応えのある本に出会いました!
辻村さん初作品です。

これがデビュー作ということですが、主役の8人の高校生の中の一人と
同じ名前のペンネーム。
これが何か作品の鍵になるのか?・・・と気になりつつ読み始めました。

雪の降るある日、いつもどおりに登校したはずの学校に集まったのは
たった8人の同級生。
8人以外は誰一人いない無人の学校で、扉は全て固く閉ざされ、
雪はどんどんひどくなり、携帯も繋がらず、時計は5時53分を指して止まったまま。

ココはいつもの学校、いつもの世界じゃない。
常識では考えられない悪意を持った“何か”が作り上げた世界に閉じ込められた ――― 。

そんな状況の中、2ヶ月前に自殺した同級生の記憶が
みんなから抜け落ちていることが分かり、
「自殺したのは誰?」「ココはどこ?」「なぜ閉じ込められてるの?」・・・と
緊迫した展開になっていきます。
そして、一人目の犠牲者が。。。。

うわ~~~っ、ちょっとホラーっぽい???
・・・と怖くなり、焦りました^^;
(いや、ホラーではなかったですけどね。)
タイトルからも想像できるとおり、ひんやりと凍りつくような冷たさの漂う作品です。

緊迫した展開の間に8人のそれぞれのエピソードが挟まれていて、
それがまたみんなすごくいいんです。
それぞれの事情や悩み、心の変化とかがすごくよく描かれていて
一見物語と関係なさそうな話が後から生きてくる伏線にもなっていて。。。

8人それぞれのキャラクターがきちんと立っていて、魅力的。
どの子も手抜き感を全く感じさせません。
物語の中での役割や必然性もしっかり練られてるし。

そういう意味では恩田さんに匹敵する筆力だと思います!
恩田さんは高校生の男の子を書かせたら天下一品だと思っているんですが、
この作者も負けてませんよー^^
しかも女の子の描き方もなかなかのものです。

私は、鷹野君のキャラと、景子と裕二の関係がすごく好きでした。


上下巻合わせて1200ページほどもある長編ですが、
最後まで「どうなるんだろう~~」ってハラハラした緊張感が途切れず、
最後の落としどころも鮮やか!
話を広げすぎちゃって最後が残念、という作家さんが多い中、
この展開力は素晴しいと思います。
読み進めながらいろいろ推理はしてましたが、ヤラれた~~っ!って感じですよ^^

冷たい怖い話ですが、読後感は爽やか。
それもいい。
おすすめです。


表紙の絵も素敵です。

辻村さんの他の作品も読んでみたいな。


第31回メフィスト賞受賞作
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by marin_star | 2008-04-10 12:43 | 辻村深月  

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