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真夜中のマーチ(奥田英朗・集英社文庫)

「ターゲットは10億円!だけど狙う奴らが多すぎる!!
直木賞作家が放つ超絶のグルーヴ!
痛快!青春クライムノベル!」

と、帯に書かれた奥田作品、となれば、期待は膨らみます。

人生の目標は大金をつかんで派手に遊ぶこと、そして大物扱いされること・・・
という、どうしようもない男・ヨコケン。
「三田物産勤務・三田総一郎」という名前で、財閥の御曹司と勘違いする相手を
利用していい思いをし、しれっとしている食わせモノのミタゾウ。
最初は騙す側・騙される側だった二人が成り行きで仲間になっていく過程が
もう~、笑えます!

ミタゾウの一件が原因で睨まれるようになったヤクザのフルテツが開いている
賭場のアガリを盗み出そうとする二人に、謎の美女・クロチェが加わり、
フルテツが美術詐欺で得ようとしている10億円の強奪計画が始まります。
ヤクザ相手に素人3人、しかも中国人一味まで現れ、
まさに「狙う奴が多すぎる」状態(爆)。
アクシデントの連続で、どこで決着が付くのか最後までエキサイティング&
笑いたっぷりの展開でした。

登場人物もみんな個性的で、ダメでどうしようもないヨコケンやミタゾウが
可愛らしくも見えてきます。
戦う相手側のフルテツや中国人一味も強面の一面だけでなく
笑っちゃうような弱みや人間くささがあって、
ありえない話なんだけど、存在感がある。

軽妙でユーモアたっぷり、爽快な読後感。
めちゃめちゃ笑えるおススメのクライムコメディです^^。

by marin_star | 2007-02-26 08:40 | 奥田英朗  

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