七日間の身代金(岡嶋二人・講談社文庫)

86年の作品。
ある大富豪の後妻の弟と、先妻の息子が誘拐される。
身代金の受け渡しは、先妻の息子が所有する湘南の小さな島。
陸へ続く長い一本橋以外に逃げ場もなく、
周囲の海も警察に包囲された中、
身代金を運んだ後妻は射殺され、犯人も身代金とともに消えてしまう・・・

「人さらいの岡嶋」の異名を持つ岡嶋さんの誘拐モノ・・と思いきや、
密室トリックテンコ盛りのお話です。

警察署長の娘・千秋とその恋人・要之介の二人が、
署長の娘という「職権」を濫用し(笑)、にわか探偵となって
事件の謎に挑むんですが、
父親と、娘の恋人の微妙な関係がうま~く絡んできて
イイ味を出しています。

何重にもトリックが仕組まれていて、面白く読めましたが、
一つ一つのトリックは少し緻密さが足りなかったかも。
犯人も途中で見当がついてしまうので、惜しい!って感じかな~。

あと、ラストに犯人の独白によって犯行の一部始終が語られる・・っていうのが
私としては苦手な終わり方なので、そこも残念。
(だって、犯人があんなに長々と順序だてて全てを説明するなんて・・・
リアリティないでしょ・・?)

やっぱり、これはタイトルからすると誘拐モノのようですが、
ちょっと別物・・って感じでしたね。


それにしても冒頭の、人質となった二人が椅子に拘束された状態で
犯人の要求を代弁するビデオ・・・・
これってイラクの人質事件とかを彷彿させます。
20年も前にこんな強烈なシーンを描いていた岡嶋二人って、スゴイ。
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by marin_star | 2007-02-20 12:05 | 岡嶋二人  

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