アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎・創元推理文庫)

2007年最初の(遅すぎだってば^^;)作品は、
伊坂さんの「アヒルと鴨とコインロッカー」!♪
この作品は昨年5月に単行本を購入してすぐ読んだんですが、
あまりの衝撃に何も書けず(何を書いても言葉が上滑りして
嘘っぽくなりそうで)、
ずっと心に温めていた作品です。
昨年末に文庫になったので、新年イチバンに購入して再読、
今度こそ、レビューにチャレンジです^^;
といっても、たいしたことは書けません。ご容赦ください・・・m(_ _)m


再読するとまた、スゴクよかったです。
もう、ラストは涙ボロボロです・・・
結末が分かっているのにまたこんなにジーンときてしまうなんて。。。
って感じです。
むしろ、2度目だからこそ、いろんな台詞に隠された本当の意味が
ずんずん心にたまっていって、河崎・ドルジ・琴美の3人の物語が
鮮烈に浮かび上がってきます。

引っ越したばかりのアパートの隣人・河崎に巻き込まれるように
本屋を襲撃してしまう僕(椎名)の目線で語られる現在と、
ペット殺しの犯人に付け狙われることになってしまった琴美の目線で
語られる2年前の物語。

この「現在」と「2年前」が交互に語られ、ものすごく緻密な計算のもとに
大きくうねりながらラストへ向かっていく構成が、また素晴らしい。
途中参加の椎名に現在を語らせることで、いろいろな謎が重なって
読者も一緒に「??」と謎解きに夢中になってしまうし、
琴美の行く先が暗示されている中で2年前の物語が語られるので
もう気が気でない。お願いだから何とか回避して!と心で叫びながら
読んでいました。(涙)

ブータン人で生まれ変わりを信じているドルジ、
寝た女の誕生日で365日を埋めるという野望を持つ美貌の持ち主・河崎、
ペットショップ勤務でドルジと暮らす琴美。
この3人のそれぞれの心の痛みや哀しさ、切なさ、生き方に
本当に胸が震えます。

ミステリとしても秀逸です。
初読のときは本当に「えぇっ!?」と驚愕しましたよ。
これは初読で見破れた読者はいないのではないでしょうかね^^;
どの台詞もエピソードも本当に無駄なものは何一つ無いので、
サラッと読み流さずに心して読むことをおススメします。
といっても、どのエピソードも(本屋襲撃もシッポサキマルマリも鳥葬も
動物園もボブ・ディランもアヒルと鴨もクロシバもetc...)
伊坂さんならではの存在感のあるエピソードなので
見逃したりできないですけどね(笑)



文庫版では、琴美の描き方が少し違っていましたね。
ペット殺しと思われる3人への捨て台詞にあれ?と違和感を感じたので
単行本を引っ張り出して確認・・・^^;
その後も気になる場面がいくつかあって、そのたびに確認しちゃったのですが、
ずいぶん改稿していましたね。
私は、身に迫る恐怖をなかったことにしたくて警察を頼れなかった
強がりで臆病な単行本の琴美のほうが好きでした。



第25回吉川英治文学新人賞受賞作
2004年度「このミス」国内第2位 他受賞多数

2007年初夏映画化(濱田岳・瑛太・関めぐみ・松田龍平・大塚寧々)
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by marin_star | 2007-01-16 20:42 | 伊坂幸太郎  

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