デッドエンドの思い出(よしもとばなな・文春文庫)

久しぶりに読んだなぁ~、よしもとばなな。
デビュー当時の「キッチン」から始まって「うたかた/サンクチュアリ」
「哀しい予感」「TUGUMI」「白河夜船」「アムリタ」・・・
このへんまでは大好きで(まだ吉本ばななだったね…)
よく女友だちへのプレゼントに「キッチン」を選んだりしてたくらい
好きだったんだけど、いつの間にか読まなくなってた・・・。

「これまで書いてきた自分の作品の中で、いちばん好きです。
これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。」と
帯に書いてあるのを見て、久々に読んでみようかなぁ~、と手にとりました。

普段使いの言葉ばかりなのにとても彼女らしい独特の言い回し、
切なくてきらきらしてちょっとあったかくなる短編5編です。

なんというか、きっと彼女の感性というか、ものの捉え方というのは、
ものすごく常人離れしているというか、ずーーっと突き抜けたところに
あるような気がするんですよね。

人との距離感とか幸せの感じ方とか、いろんなことが、
俗世を奥底まで見つめていった先のすごくキレイな上澄み液の中のような
透明な世界のお話っぽい。
登場人物の悩みや環境はとてもリアルなのに、
出てくる男女の距離感や関わり方がとてもピュアで潔く、
生々しさがないんです。
そして幸せの尺度も、ものすごくベーシックで純粋で研ぎ澄まされています。
そうだよね、こういうふうに幸せを感じて満たされていくことが
かけがえのない人生を大事に生きるということなんだ、と思ったりします。

つらくて切ないことがあっても(あったからこそ)、
心の中に眠っているかけがえのない宝物が
いつかきっときらきらした光を感じて輝きだすときがくる ―――。
そんな幸せで満たされていく瞬間瞬間を、とても温かく切なく描いています。

心がちょっと疲れたときや、つらくて癒されたいときに読みたい、
そんな短編集です。





余談ですが、彼女は大学の同級生。
ゼミが違ったので会話したこともありませんが・・・^^;
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by marin_star | 2006-08-27 22:50 | その他  

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