時生-トキオ-(東野圭吾・講談社文庫)

文庫刊行後の9月初めに読んだのですが、「流星ワゴン」の後だったので、
ちょっとイマイチだったんです。
同じような時空を超えて家族に会う・・というお話で、「流星ワゴン」は
とてもイイ作品で読後もかなり余韻が残っていたし、
「時生」の主人公(拓実)があまりにもダメ男でイライラしっぱなし。。。
拓実のだらしなさぶりへの怒りが先走ってしまい、
こんな男はどんなことがあったって更正したりできっこない・・って思えて、
病院で時生を見守る姿とのギャップが埋まらなかったんですよね。

で、レビュー書きにくいなぁ・・・と思ってそのままに。
なんとなく心に引っかかっていたので、再読してみました。
すると・・・
なんか、9月に読んだときよりも、いい。
拓実は相変わらずダメでどうしようもない男だなぁ・・・と思ったけれど、
その分、トキオの一生懸命な想い、必死な気持ちがグッときます。
どうしようもないダメ男が、トキオと過ごす時間の中で少しずつ少しずつ
変わっていく。
その変化は本人が認めたくなくても確実に彼の根底を揺るがし、
別人のように更正させる力を持っていたのだ・・・。
そのへんが読みきれてなかった・・・と、猛省。

若干、「?」と思うパラドックスはあるものの、結局のところどんな回り道をしても
時生は生まれ、そして拓実と花やしきで出会うんだろうな。
そしてそれは、とても幸せなことなんだ。

ただ残念だったのは、
唯一かっこいい姐さんキャラの竹美以外は、なんか魅力の乏しい登場人物
ばかりだったかも。
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by marin_star | 2005-12-14 21:30 | 東野圭吾  

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