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鳥人計画(東野圭吾・角川文庫)

日本スキージャンプ界のエース、天才ジャンパーの楡井が毒殺される。
楡井は天性の明るさと屈託のないキャラクターで、
才能を羨む者こそあれ、憎む者などいない男だった。
警察の捜査が行き詰る中、犯人を告げる密告状が・・・

犯人探しのミステリではなく、完璧を自負していた計画に気付いた密告者を
犯人が推理する・・・というひねり方が、地味ながらも東野さんらしい作品だな、
と思います。

殺人事件の動機というものは、どんなものにしろ
自己中心的な理由からだとは思いますが、
あまりにも身勝手な自己愛から生まれた殺意に、楡井が可哀想になります。

最近、ラストの展開に納得いかないミステリが多い中で、
やっぱり東野さんはラストまで素晴らしい、と改めて思います。
緻密な伏線やプロットにブレが無く、最後の最後に必ず驚きのどんでん返しや
余韻のあるラストを用意してくれるのは、さすがです。


しかし、スポーツが舞台のミステリというのはやはり難しいですね。
そのスポーツの知識がある程度あったほうが楽しめると思います。

by marin_star | 2005-11-24 22:38 | 東野圭吾  

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