ヘーメラーの千里眼<上・下>(松岡圭祐・小学館文庫)

不屈の精神力・類稀な強い使命感の持ち主・岬美由紀の
意外なルーツが明かされた作品。

防衛大学校の存在すら知らなかった高校生の美由紀が
その第1歩を踏み出すきっかけとなった淡い初恋。
持ち前の負けず嫌いを発揮して厳しい専門訓練を乗り越え幹部候補生となり、
空自の花形パイロットになるまでの美由紀を支えたのも
型破りで優秀な“伊吹先輩”への憧れだった・・・。
女性版ダイハードともいえるカッコイイ美由紀も、
きっかけは『どこにでもあるこんなことなんかいっ!』とツッコミたくなりますが・・・^^;
だからこそ、悩み成長していく過程に共感できるのかもしれません。

現役自衛官の伊吹が演習中に起こした過失致死事故の解明、
麝香片麻薬の密輸に絡むアルタミラ精神衛生と中国マフィアとの戦いが
美由紀のルーツをなぞるように、展開していきます。

今までのダイハード的(笑)な美由紀の活躍は少なかったかもしれません。
アルタミラ精神衛生もまだこのまま終わるとは思えません。
(アルタミラの追い込みはちょっとあっけなかったし。)
中国マフィアの密輸船を護衛する戦闘機パイロット梁暁濱も、
きっとまた現れる宿敵となる気がします。
前作までのメフィストとの壮大な戦いが終結し、新たな強大な敵が
出現する・・・、そんな序章ともいえる作品なのではないでしょうか。

戦いを終えた美由紀からは、“後悔”や“未練”といった過去と訣別し、
純粋に前向きに進んでいける清々しさと新たな決意を感じました。
恋愛についても、きっと今までと違った美由紀が見られるかも?

本作も読み応えがあり、カッコイイ自衛官たちの姿に感動しましたが、
次回作は、もっともっと美由紀のダイハード的な活躍を期待したいです!
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by marin_star | 2005-05-30 08:06 | 松岡圭祐  

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