私が彼を殺した(東野圭吾・講談社文庫)

1年ぶりの更新ですね・・・・^^;
もう再開することはないかも。。。。とほったらかしだったんだけど、
つい先日、ついに、ついに・・・

この本の謎が解けましたぁ~っ!!!

ってワケでこの感動を一言書き残しておこうかと・・(笑)


実はこの本、前作ともいえる「どちらかが彼女を殺した」を読んだあと、
すぐに一度めを読みました。

えぇ~~~~~っ!
・・・・・・ (絶句)
全く分からないよーーー(ToT)

悲しすぎるほどに、推理の手がかりすら何も見つかりません!!
すぐに気合いを入れ直し、メモを片手に2回目にチャレンジ。

しかし・・・・・
時系列に登場人物全ての動きをメモったにもかかわらず、完敗。

3回目を読み終わって、敗北感たっぷりで巻末の袋綴じを開く決意を。
(チョキチョキチョキ・・・)
なのに・・・・
やっぱり分からない。。。。(ガーーーーーーン・・・orz)


凹みました。


でも、ネットで答え合わせするのもすごく癪で、
それから何度読み返したことでしょう。。。
その度に打ちのめされる敗北感ったら。

あまりの自分の頭の悪さに嫌気がさし、解明できぬまま放置すること2年あまり。

つい先日、友人にこの本を貸すことになり、その前にもう一度!!と
チャレンジしてみたら・・・・

あぁ~~~~~っ!!!

わ、・・・分かりましたぁ!!!!
そういうことだったのか!

何で今まで気付かなかったんだろう~(涙)って気持ちと、
こんな伏線、普通は読み流すだろっ!(怒)って気持ちがごたまぜでしたよ。

(いや、巻末のヒントを読んでいながらなんでこんなに分からなかったのか、って話ですが。。)

完全に東野さんにヤラれました。


あーーー、でもスッキリした!!!



というワケでレビューでもなんでもない戯言ですが、
推理好きの方はぜひチャレンジしてみてくださいませ^^
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# by marin_star | 2009-06-16 12:07 | 東野圭吾  

バグダッドのモモ(山本けんぞう アンドリュース・プレス)

これもmayuの中学校の図書館の本。
(まだしばらく続きます^^;)

戦火のバグダッドに住む少女・ももと、
旅の途中でももに出会った黒猫のモモの哀しいお話。

「どうしてにんげんは戦争をするんだろう?
答えは簡単だ。
戦争が好きだからだ。」

黒猫のモモから見る人間の戦争はおかしなことだらけ。

爆撃で死んでしまったお兄さん。
爆弾の影響で病気になり入院してしまったお母さん。
毎日壁に向かって動かないお父さん。
心の病にかかってしまったお姉さん。
お母さんの始めたトマト畑を一生懸命守ろうとするももと弟のびびちゃん。
命令に逆らうと殺される、と兵隊になって人を殺す、たるびの君。

戦争は、ほんのささやかな幸せさえも得ることを許さず、
家族を壊し、何もかも奪い、
お母さんもお父さんもびびちゃんも、ももを置いて死んでいってしまう。
最後に残されたももとモモは、水に抱かれるように沈んで川に身を投げ、
やっと家族の元へ帰っていく、というお話。

戦争の残酷さを思い知らされる本です。


作者の山本けんぞう氏は、テヘランやプノンペンの特派員の経験を持つ
NHKの国際部記者。
残酷な現実を見てきた筆者だからこそ書けるのだと思いますが、
それをストレートに書かずに、児童書としてしっかりとメッセージを伝えているのが
すごいな、と思います。
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# by marin_star | 2008-05-12 23:59 | その他  

ホームレス中学生(田村 裕・ワニブックス)

これもmayuが中学の図書館から借りてきました。
でなきゃ、一生読まないだろうな的な本ですね、私の場合。
150万部突破!と帯にあります。スゴイですね~^^;

良くも悪くも奇想天外な中学時代を送った筆者の経験だけが
ものをいう作品です。
本人もあとがきに書いているとおり、文章力は無いし。^^;

面白かったですよ、サラッと読めて。
ま、特別あまり感想もないんですけど。


ワケも分からないままホームレス生活を始めた中学生の田村少年にとって、
突然「か、解散!」と言ったお父さんの心境とか、
親戚に引き取られなかった理由とか、
きっとあまり理解できていなかったと思うので、
そのへんの状況説明がなんとも曖昧で、「ふつう、おかしいやろ!?」と
ツッコミたくなりますが、それはそれ。
分からないことを執筆のために調べて物語の筋を強化する、なんてことを
全くやっていないところに、好感が持てます。(笑)

お涙頂戴や感動の押し売りでなく、やたら笑わせようとするわけでもなく。
ただ淡々とホームレス中学生だった頃を思い出しながら書いている感じがして、
嘘がないのが伝わってきて、よかったかな。



2007年 年間ベストセラー(ノンフィクション)部門 第1位
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# by marin_star | 2008-05-12 12:38 | その他  

猫泥棒と木曜日のキッチン(橋本 紡・メディアワークス)

これも、mayuが中学の図書館で借りてきた本。

帯に「捨てられた子どもたちと 捨てられた猫たちの物語」とあります。

父と母に家出され、17歳にしてしっかり主婦感覚が見についているみずきと、
サッカーが大好きな5歳の弟・コウ。
サッカー部のレギュラーだったのに事故で足を損傷し、サッカーを続けられなく
なってしまった健一。
ひょんなことで知り合った彼らは、木曜日の夜に3人で一緒に食べる夕食の時間を
とても大切にしている。

近所の交差点で子猫が捨てられたり、子猫の轢き逃げ事故が多いことから
元凶となる家から猫を盗む計画を立てるみずきと健一。

ちょっと伊坂さんを思い出しました。

足の怪我への過剰な同情と心配を苦痛に思う健一と、
怪我のことなんてうっかり忘れてしまうボーダーレスなみずき。

たとえ犯罪と分かっていても自分の正義のために突き進むみずき。

血の繋がりの有無に左右されない家族の在りかた。

自分では身を守れない弱者への慈愛や、守られない理不尽な世界への怒り・・・

全編にわたって流れている思想や雰囲気が、なんとなく伊坂さんっぽい。
まあ、伊坂さんよりももっとライトな感じだけど。

物語の根底に流れる思想も作風も好きな感じです。
なんだか上手く説明できないんですが、
ちょっと素敵な本に出会っちゃったな、って感じ。
装丁も素敵です。


中学の図書館、あなどれないわ。
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# by marin_star | 2008-05-07 23:15 | その他  

いじめ 14歳のMessage(林 慧樹・小学館)

mayuが中学の図書館から借りてきた本です。

「手元に置いて何度も読みたいから買っていい?」とmayuが言うほど
気に入ったそうなので、読んでみました。

とっても重いお話です。

中学2年の主人公・慧佳。
クラスメイトがいじめにあっているのを最初は黙って見ていたけれど、
勇気を出して「やめなよ」と止めた数日後から、
今度はいじめのターゲットになってしまう。

執拗ないじめ。
助けたクラスメイトも今度はいじめる側に混ざって笑っている。
知らん振りを決め込む教師。
どんどんエスカレートするいじめは、慧佳の心を押しつぶし、
たった一人の友達を信じることも、両親に助けを求めることもできないまま、
学校の窓から飛び降りてしまう。

児童向けの本って、いじめで自殺しても助かって周りも反省してハッピーエンド、って
いう展開が多い気がするけど、この本は違う。
飛び降りた慧佳は、生死の境をさまよったあげく、帰らぬ人となってしまうのだ。

自殺する前に誰かに相談できなかったの?
死ぬ気になれば、生きていさえすればどうにかなったはずなのに。

自殺のニュースを耳にするたびに、なんとなく他人事の私たちは
ついそう思ってしまうけれど、この本を読むと、なぜ相談できなかったのか、
なぜ死ぬ以外に選ぶことができなかったのか、
その本当の気持ちに触れることができる。

軽い気持ちで始めたいじめがこんなにも人の尊厳をめちゃめちゃにすること。
いじめられて死にたくなっても決して死んではいけないこと。
いじめられて悩んでいる人も、いじめをゲームのように思っている人も
みんな、この本を読んでほしい。

「人は愛し愛されるために生まれてくる」
「生きていないと絶対に幸せになれない」

この言葉の意味をじっくり考えてほしいから。


第18回 パレットノベル大賞審査委員特別賞 受賞作品
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# by marin_star | 2008-05-07 22:20 | その他  

ぼくたちと駐在さんの700日戦争(ママチャリ・ブログ小説)

これはココに書くべきかどうか??^^;

映画のCMは見てたけどブログ小説だとは知らなくて
文庫(小学館文庫)を店頭で見つけ、手に取るとなんと横書き。
あ~、ブログ小説ね~・・・と、ちょっとウンザリ気味にパラパラ見てたら
なんかすっごく面白いので買っちゃったんです^^;

で、家に帰ってから検索かけたら本家のブログ小説を発見。
書籍化・映画化するとブログでは読めなくなっちゃうモノだと思ってたので
ちょっと驚きましたね。
(ブログ削除が条件の書籍化の話は蹴ったそうですよ、あっぱれ^^)

で、ブログ読み始めたら、やっぱりブログで読むほうがずっと面白い~~!!

同じ文章が書いてあってもWebテキストと印刷のフォントってやっぱり違うし、
ちょっとした行間の取り方や文字の大きさでタメやインパクトが変わってくるよね。
1話1ページで一気に読める、っていうのもいいし。

結局、購入した本は、最初のほうだけブログとどこが違うのか・・?って
確認しながらちょこっと目を通しただけ。
ブログのほうに本腰入れて、序章から一気に読破中。

2晩かけて今、8章の途中です。
現在もお話は続いていて、14章が終わって番外編が日々更新されているところ。
(まだまだ続くようなので、早く追いつきたい~)

ということで、異例の読破中レビューとなったわけです^^;


映画の原作になったのは、5章までの分。

駐在さんと「ぼくたち」地元高校生の終わりなき悪戯と逆襲の応酬が
あまりにもバカっぽくて最高に可笑しい!!
もう~、お腹抱えて涙ボロボロ流して笑ってしまいましたよ。
よくもまあ、こんな悪戯を次から次へ考えるなぁ~、と感心するし、
悪ガキ高校生の面々がそりゃあもう個性的でバカでスゴイ。
そして、警察官のクセに地元高校生に対抗して
大人気なく本気で逆襲する駐在さんがすっごい面白い。
その他の登場人物もアクが強くて魅力的なキャラが勢ぞろい。

そして、面白いだけじゃなく、ちゃーーーんとクライマックスもあって
爽やかな青春モノに仕上がってます。

これを毎日更新のブログで書く技量もすごいな、と思いますが、
なにより半分実話というのだから驚きです。

6章以降は、相変わらずのバカっぽい悪戯で笑わせながらも
児童虐待やレイプなど重いテーマも盛り込まれていて、
作者がブログ小説を通していろいろなメッセージを発信しています。

たぶん映画は(観てないけど)爽やか青春コメディ映画になってると思われますが、
映画を観てイマイチ・・と思った方でもブログのほうを読んでみることをおススメします。
おそらく、いや絶対、文字で読んだほうが面白いと思う!

駐在さんは佐々木蔵之助さんとはちょっと違うイメージだしね。
ブログに登場するイラストとキャラにそっくりな俳優って誰だろ?


ブログはこちら⇒ ぼくたちと駐在さんの700日戦争


2008年4月映画化  市原隼人・佐々木蔵之助
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# by marin_star | 2008-04-16 12:30 | その他  

冷たい校舎の時は止まる<上・下>(辻村深月・講談社文庫)

ひさびさに読み応えのある本に出会いました!
辻村さん初作品です。

これがデビュー作ということですが、主役の8人の高校生の中の一人と
同じ名前のペンネーム。
これが何か作品の鍵になるのか?・・・と気になりつつ読み始めました。

雪の降るある日、いつもどおりに登校したはずの学校に集まったのは
たった8人の同級生。
8人以外は誰一人いない無人の学校で、扉は全て固く閉ざされ、
雪はどんどんひどくなり、携帯も繋がらず、時計は5時53分を指して止まったまま。

ココはいつもの学校、いつもの世界じゃない。
常識では考えられない悪意を持った“何か”が作り上げた世界に閉じ込められた ――― 。

そんな状況の中、2ヶ月前に自殺した同級生の記憶が
みんなから抜け落ちていることが分かり、
「自殺したのは誰?」「ココはどこ?」「なぜ閉じ込められてるの?」・・・と
緊迫した展開になっていきます。
そして、一人目の犠牲者が。。。。

うわ~~~っ、ちょっとホラーっぽい???
・・・と怖くなり、焦りました^^;
(いや、ホラーではなかったですけどね。)
タイトルからも想像できるとおり、ひんやりと凍りつくような冷たさの漂う作品です。

緊迫した展開の間に8人のそれぞれのエピソードが挟まれていて、
それがまたみんなすごくいいんです。
それぞれの事情や悩み、心の変化とかがすごくよく描かれていて
一見物語と関係なさそうな話が後から生きてくる伏線にもなっていて。。。

8人それぞれのキャラクターがきちんと立っていて、魅力的。
どの子も手抜き感を全く感じさせません。
物語の中での役割や必然性もしっかり練られてるし。

そういう意味では恩田さんに匹敵する筆力だと思います!
恩田さんは高校生の男の子を書かせたら天下一品だと思っているんですが、
この作者も負けてませんよー^^
しかも女の子の描き方もなかなかのものです。

私は、鷹野君のキャラと、景子と裕二の関係がすごく好きでした。


上下巻合わせて1200ページほどもある長編ですが、
最後まで「どうなるんだろう~~」ってハラハラした緊張感が途切れず、
最後の落としどころも鮮やか!
話を広げすぎちゃって最後が残念、という作家さんが多い中、
この展開力は素晴しいと思います。
読み進めながらいろいろ推理はしてましたが、ヤラれた~~っ!って感じですよ^^

冷たい怖い話ですが、読後感は爽やか。
それもいい。
おすすめです。


表紙の絵も素敵です。

辻村さんの他の作品も読んでみたいな。


第31回メフィスト賞受賞作
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# by marin_star | 2008-04-10 12:43 | 辻村深月  

チームバチスタの栄光<上・下>(海堂 尊・宝島社文庫)

第4回「このミス」大賞受賞作、待望の文庫化です!
いや~~、マジで待ってましたよ!
書店で平積みされた単行本に何度も手が伸びかけましたが、
ようやく読めました!

上下巻でなくてもよかった気がしますが、それはさておき、
やっぱり面白かった!!

「チーム・バチスタの奇跡」といわれ、輝かしい成功を重ねてきた
東城大学医学部付属病院バチスタ手術チーム。
連戦連勝のこのバチスタ手術が、つい最近3例の
原因不明の術中死が連続発生。
同病院の通称・愚痴外来の万年講師・田口は、病院長自らの依頼により
内部調査を始めることになる。

読み始めはちょっと手こずりました。
いろんな導入部が次々と語られるわりには、グイーッと引き込まれる感じが
イマイチ無くて・・・

でも、田口の聞き取り調査が始まって、関係者の一人一人の個性が
ぶつかり合い始めたら、俄然面白くなりました!!

バチスタ手術の様子や専門的な用語が分からないと
少しイメージしにくいかもしれませんが、
ちょうどドラマ「医龍2」を見てるところなので、分かりやすかったです。
執刀医・助手・麻酔医・臨床工学士・看護師それぞれの仕事や関係も
おー、まさに医龍の世界!って感じで。(笑)

(「医龍2」で阿部サダヲ演じる麻酔医が、この作品に出てくるのとそっくりな台詞を
言ってた!この作品のパクリでしょうか?アリなのかなぁ~?^^;)

途中から登場する強烈な個性の白鳥を始め、登場人物がものすごく個性があって
うまいな~~って感じです。
深刻なテーマなのにところどころにユーモアもあって。
田口のちょっとボケッとしていながら実は鋭いキャラも良かったし、
病院長やフジさんも物語が進むにつれ、どんどん魅力を増していきます。
いろんな個性のぶつかり合いが、どんどん物語を転がしていく感じで
特に白鳥登場以後の下巻は、読み出すと止まらない!

何が問題なのか分からないまま進んでいく最初の展開にボーっとしていると、
あれよあれよという間に緊迫した光と闇の世界に巻き込まれていた、って感じで、
その筆力には脱帽です。

満場一致であっという間に大賞に決まった・・というのもうなずけます。


この「田口&白鳥」コンビの続編もあるんですよね。
「ナイチンゲールの沈黙」と「ジェネラル・ルージュの凱旋」。
文庫になるのはいつのことやら・・・
でも絶対読みたいです!
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# by marin_star | 2007-11-16 22:25 | 海堂 尊  

六番目の小夜子(恩田 陸・新潮文庫)

これもかなり前に購入したものの、怖そうだなぁ~~~と思って
なかなか読めなかった本です。
(なんか学校の怪談っぽい話?って気がしてて・・^^;)

しかし!
全然怖くなかったし、すごくすごく面白いお話でした!
紹介してくれたNさん、ありがとう♪

十数年にわたり生徒の間だけに受け継がれてきた、
3年に一度密かに使命を与えられる「サヨコ」。
前年度の卒業式に誰にも知られずに任命された「サヨコ」は、
秋の学園祭で学園祭実行委員会が上演する劇の台本を
自分で書きあげるかどうかを選択・実行しなければならない。
誰にも自分が「サヨコ」だと悟られることなく。

全校でたった一人選ばれるはずの「サヨコ」だが、
6番目の「サヨコ」がすでに選ばれ活動開始する始業式の日に、
謎の転校生・沙世子が出現。
受け継がれてきた伝統ともいうべきものが徐々に狂い出し、
なんだか背中がぞわぞわするような事件が起こっていきます。

ミステリアスな美少女・沙世子、沙世子に憧れる雅子、
雅子に想いを抱く由紀夫、「サヨコ」の伝統に詳しい秀才の秋(しゅう)。

この4人がそれぞれの思いを抱えながら、
かけがえのない高校最後の1年間を過ごしていきます。
「学校」という閉じた世界の中で、懸命に、恋や友情、学校生活、受験、
そして「サヨコ」の謎に向かっていく登場人物たち。
あの頃の一生懸命な気持ちを思い出しますね~
10代のキラキラした感情が切なく爽やかに描かれていて、
恩田さんらしいなぁ~、って感じです。

どの登場人物も魅力的で、会話にすごくリアリティがあります。
あ~、高校の時ってこんな感じだったな、って^^。
特に恩田さんは男の子のキャラクター設定がものすごく上手いなって思いますが、
今回は秋クンがよかったですね~^^
(秋クンのお父さんもよかった。)

そして中盤のクライマックスの学園祭。
「サヨコ」の劇の場面はものすごく上手い!!
目で文章を追いながらもその場で参加しているような緊張感と臨場感があって
すごかった。
会場内がどんどん緊迫して恐怖に包まれていく様子がものすごく伝わってきた!
恩田さん、ほんとにスゴイです。

後半、ラストへの展開も読み応えありましたね~。
謎の真相も意表を衝いた展開で。
ひんやりするような怖さを秘めながら、
切なさと爽やかさが残る、そんなお話でした。

またもうちょっと経ったら再読してみたいな~^^


これ、恩田さんのデビュー作だったんですね。
しかもすぐに絶版になった「伝説のデビュー作」だとか・・・
新潮文庫さん、文庫にしてくれてありがとう^^
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# by marin_star | 2007-11-14 12:45 | 恩田 陸  

水の時計(初野 晴・角川文庫)

ずーーーっと前に購入していたんですが、
なんとなく読みそびれて積ン読の中に埋もれてました。

早く読めばよかった!!
すごく良かった!

童話「幸福の王子」の引用が冒頭にあるように、
脳死状態にある少女・葉月が自分の身体の全てを
必要とされている人々に分け与える・・・という寓話のようなミステリです。

脳死状態にありながら、月明かりの夜だけは特殊な装置越しに
言葉を伝えることができる葉月。
暴走族ルート・ゼロの幹部の一人・昴(すばる)は、
別の幹部仲間との対立からルート・ゼロを追われる身となり、
彼女の臓器を移植する患者を選び、届ける役目を負うことになる。

角膜・皮膚・腎臓・・・と移植のために切り取られ、死んでいるとされているのに、
言葉を持っている葉月。
何をもって「生」なのか?「死」といえるのか?

医療が進んだゆえに生まれてしまった、
「生」と「死」の狭間で「死に続けている」葉月のような苦しみ。

「死んでいく自由」
医療の進んだ現代において、たったこれだけのことがどんなに難しいことか。


ドナー不足や臓器売買、移植の斡旋詐欺、未成年の臓器提供の制約など、
「与える自由、与えられる自由」という重いテーマを根底に据え、
臓器移植に関わる現代の問題もきちんと捉えながらも、
胸を打つ美しい物語になっています。

葉月の願いをひとつひとつ叶えていくごとに昴が関わっていく人々との物語が
1話ごとに語られつつ、
昴を追う刑事や、腎臓移植の斡旋詐欺を追うフリーライター、
昴を追い続けるルート・ゼロの幹部との緊迫したストーリーが
展開していき、グイグイと引き込まれるように読んでしまいました。


いろいろと考えさせられるテーマを内包している物語ですが、
読んでいる最中はその重さが邪魔をすることはなく、
物語(ミステリ)としてとても面白くグイグイ読まされます。

これだけ重いテーマを扱っていながら、透明感のある美しい物語、という
不思議な印象を持ちました。
読後感も良いラストでとてもいい作品でした。


初野さん、他の作品も読んでみたいです。


第22回 横溝正史ミステリ大賞受賞作
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# by marin_star | 2007-11-13 23:35 | 初野 晴